トランプカードの自画像

去る12/6~12/10に目黒区民美術館で開催されました『RAY ART SCHOOL EXHIBITION 2017』にて子どもクラスとして自画像を制作し、お披露目を致しました。

毎回子どもクラスでは設けたテーマに基づいて、アクリル画の自画像を描いています。今回はタイトルにもあります様に、トランプカードをテーマとしました。絵札であるジャック、クィーン、キング、ジョーカーの中から自分が扮するカードを選び、その選んだカードに沿った衣装を着ている自分を描きます。

基本は自画像なので鏡を見ながらよく観察し、顔立ちや表情の特徴を冷静に見ながら描きおこしをし、そこに衣装や被り物、またポーズを加えて絵作りをしていきます。過剰に綺麗に作り込みすぎてしまい、セルロイドの様な肌になってしまったり、こんな顔だったら良いのにと言う願望が混じって今一ピンとこない顔になってしまったり、そもそも骨格として可笑しな顔になってしまったり…。どの子も中々一筋縄ではいきませんでした。でもそれぞれに4回のレッスンの中で、少しづつ自分らしさに寄せていきながら描き切ることが出来た様です。

自分の顔と向き合う、つまり自分自身と向き合うということ。それは楽しいことばかりでは無いのかもしれません。でも自分の内にあるものをキャンバスに乗せることが出来たら、それはもう技術の問題ではなく、素晴らしい作品になり得るのだと思います。

道具や絵の具の特性に沿った扱いを覚え、また知識としての骨格の成り立ちを知るという事も勿論必要であり、その為の指導を日々行っています。これらを体得することで表現したいイメージや描きたい作りたいものにより近づけると考えるからです。でもだからこそ、そこだけに終始してしまうお行儀の良い絵では無く、魅力ある作品を生み出せる人になっていって欲しいと強く願います。

保護者の皆さまには、暖かいお言葉を沢山頂戴致しました。子供達の今しか無い、この作品をどうぞ大切にしていただけたら嬉しいです。ご来場下さいました皆さま、ありがとうございました!