花の水彩画

さて今年最初の花の水彩は、春の気配を感じるチューリップです。まだまだ寒い日が続きますが、気持ちだけでも明るく春を感じて貰えたら嬉しいです。

花がモチーフの際は繰り返し伝えておりますが、茎の中心を軸にぐるりと花弁が丸く並んでいる構造を理解する必要があります。今回も花瓶に挿した花を後ろから観察してから描き始めました。チューリップは比較的茎が一定の太さで直線に近く伸びていること、花弁毎の中心に筋があり一枚の形が長めのハート型の様な形をしていること、花房の下部分が膨らみを帯びていることなどに、特に注意を払い描いていきます。

下描き・着彩どちらの際にも花弁を一枚毎に独立して描いていくことで、手前の花弁と奥の花弁の描き分けが可能になり空間性を出すことが可能です。また、花弁と花弁の重なりに落ちる影も描きやすくなる為、よりリアルな表現に近づけていくことが出来ます。

とはいえ、こういったポイントを少しづつ習得することも必要ながら、やはり花の柔らかで透明感ある様子を素直に感じ、表現することが何より大切です。春の気配を存分に感じさせる、素敵な水彩画が沢山仕上がりました。