金物の鉛筆デッサン

前回のデッサンは乾物でしたが、今回は金物モチーフに挑戦し致ました。スプーンやフォークなどのカトラリーやポットや目玉クリップなど各自好きなものを選んで描きます。全て工業製品であり基本的には左右対象の立体であることから、中心線を軸にかっちりとした形を捉えていく必要があります。

また今回の金物は全てシルバー色で、パッと見る印象としてはそこまで色の暗いものでは無いかもしれません。金物はキラリと光る部分こそが大きな特徴ですが、その光っている部分を紙の白よりも明るく表現することは出来ません。紙白を明るさの天井だとするならば、周りのグレー部分は実は結構な暗さが求められるのです。影のたまる強い黒から光の白までの色幅を広く捉え、中間のグレーのグラデーションをしっかり描くことでキラリと光を放つ硬質な特徴を表現することが出来ます。

また落としたらカチャン、ガシャーンと音のなる硬いものであり、自分や周りの風景が映り込むのは、表面はつるりと整ったものであるということです。つるりとした滑らかさを表現するには、なるべく長いストロークで線の向きを一定程度揃えて面を描く必要があります。また最初は柔らかな鉛筆で立体感を意識してベースを作り、だんだんと硬い鉛筆に持ち替えしっかり鉛筆を立てて、表面の膜を描く様に線を重ねていくことで硬さを表現出来ます。時間をかけてとにかく手数を入れることでしか、掴めそうな存在感のある硬い光沢のある様子を表現することは出来ません。

一見そう複雑なものでは無いけれど、自然物とは違い形の歪みは誤魔化せませんし、質感の表現も手数が必要な難しいモチーフです。形の正確性はまだまだもう一歩といった所も見られましたが、しつこく諦めずに描くことで随分と面白い魅力的な作品もちらちらと見られました。普段のデッサンにもいえる事ですが、粘り強く臨めるかどうかか非常に問われるカリキュラムだったのではと思います。